コンクールの審査のお仕事を、させていただきました。
皆さんとても集中しての演奏でよくさらっていらっしゃり、感心しました。
聴いていると、一人一人のお家での練習環境や、練習の仕方、レッスン室の環境などまで見えてくることがあります。
一音一音を丁寧に考え抜かれた演奏をたった一回の本番で出来るお子さんは、指摘された事をコツコツと直して、その上で自分のものにするのに部分練習を重ねた事がわかります。逆に難しい所でつまずいてしまう方は、もしかしたら面倒なことは見なかったことにしがちなのかしら…?
そして、一番の差は「音」です。ホール演奏は、音の伸び、響きにはっきりと差がでてしまいます。
普段電子ピアノやヘッドホンで練習していると、ピアノ全体の響き余韻を聴くのは流石にかなり日頃意識しないと厳しいです。また、良いピアノで練習していても、狭い部屋やレッスン室で、遠くに音を飛ばすイメージをしっかり持っていないと、全体に平板な演奏で終わってしまいます。この子は良い音を持っているしタッチも綺麗なのに、音が遠くに届かず惜しいなぁ…という方が沢山いらっしゃいました。イメージするだけで、意識するだけで、たとえ電子ピアノでも、かなり変わると思います。
また、弾く姿勢が悪かったり、ピアノからの距離が適正でないと、指だけの音になってしまいます。これはたぶん、普段先生が離れて聴かず、隣に座ってレッスンしているだけ、もしくは、離れて聴くのが難しい狭い部屋でのレッスンかなのかしら…などと想像します。
一生懸命、少しでも次に向けて良くなって欲しくてコメントを書きましたが、乱筆でごめんなさい。審査はいつも、我が身、我がレッスンを振り返るきっかけとなり、お勉強させていただいております。