1月 2018

コンクールの審査のお仕事を、させていただきました。

皆さんとても集中しての演奏でよくさらっていらっしゃり、感心しました。

聴いていると、一人一人のお家での練習環境や、練習の仕方、レッスン室の環境などまで見えてくることがあります。

一音一音を丁寧に考え抜かれた演奏をたった一回の本番で出来るお子さんは、指摘された事をコツコツと直して、その上で自分のものにするのに部分練習を重ねた事がわかります。逆に難しい所でつまずいてしまう方は、もしかしたら面倒なことは見なかったことにしがちなのかしら…？

そして、一番の差は「音」です。ホール演奏は、音の伸び、響きにはっきりと差がでてしまいます。

普段電子ピアノやヘッドホンで練習していると、ピアノ全体の響き余韻を聴くのは流石にかなり日頃意識しないと厳しいです。また、良いピアノで練習していても、狭い部屋やレッスン室で、遠くに音を飛ばすイメージをしっかり持っていないと、全体に平板な演奏で終わってしまいます。この子は良い音を持っているしタッチも綺麗なのに、音が遠くに届かず惜しいなぁ…という方が沢山いらっしゃいました。イメージするだけで、意識するだけで、たとえ電子ピアノでも、かなり変わると思います。

また、弾く姿勢が悪かったり、ピアノからの距離が適正でないと、指だけの音になってしまいます。これはたぶん、普段先生が離れて聴かず、隣に座ってレッスンしているだけ、もしくは、離れて聴くのが難しい狭い部屋でのレッスンかなのかしら…などと想像します。

一生懸命、少しでも次に向けて良くなって欲しくてコメントを書きましたが、乱筆でごめんなさい。審査はいつも、我が身、我がレッスンを振り返るきっかけとなり、お勉強させていただいております。

また骨のしっかりしていない小さい生徒ちゃん達にとって、指先や手を良い形に保つのはなかなかに難しい。

でも、悪い癖がついてしまっては、あとで直すのが、また大変なのです。(^^;;

中でも親指は、寝てしまい人差し指とくっついてしまうと手全体の形がわるくなったり、脱力がしづらくなったり、指くぐり、指かぶせの大事な支点でもあるので、音の粒を揃える面からも、大切です。

とはいえ、口で言ってもなかなか意識できない時は、スマホでその場で動画で録画します。(^｡^)

一目瞭然。

他の指の指先も、手首や肘の位置も、指くぐりの時の親指のタッチポジションも、自分で客観的に見られます。（お袖が長いな…^^;）

少なくともその場では見違えるように改善されます。その気になればできる事がわかります！イェー！?

おうちでも親指意識して、ママのスマホなどお借りして、楽しみながらやってみよう。?

ピアノの大事なテクニックの一つに「同音連打」があります。

特にレガートの中での同音連打は手首を柔らかく使い、鍵盤の戻りを指先で意識する必要のある、小さな生徒さん達にはなかなか難しいテクニックの一つです。

昨年後半入会したばかりで、わざわざ遠くからレッスンに来てくれている一年生のRちゃん。頭が良く、とてもよく楽譜の仕組みを理解していますし、よく練習してきます。

先日、初めてこのテクニックを教え、とても反応良く上手にでき、同じ曲が別人のように上手に弾けたので、「凄く素敵だからママに聴かせてあげてね」（たまたまママがいらっしゃらなかったので）と帰しました。

祈りの曲でした。

後で嬉しいメールをいただきました。毎回「ああ楽しかった！」と言ってレッスンから戻ってくるとのこと。

それは間違いなくRちゃんがよく練習して、即座に反応できるから、達成感があり、楽しいと感じるのだと思います。

そしてもちろん、わざわざ遠くから通ってくださっているので、そう思ってくださるのだったらとても嬉しいことでした。?(^｡^)

バッハ（ペツォールト）のト長調のメヌエット。バロックを習い始めると弾く曲の一つ。有名な曲だから、みんな大好きです。?

仕上がると、必ずもう一台のピアノで私が二台ピアノの伴奏をつけます。この曲二台ピアノの楽譜多種あるのですが、私の好きなのはお洒落なチェンバロ風味の伴奏。✨

続くト短調のメヌエットも同様です。こちらはピアノコンチェルトバージョンや、いにしえのリュートバージョンもあります。

まるで別な曲の様に聞こえ、生徒ちゃん達も、聴いているママや弟君妹ちゃん達もニコニコです。(^｡^)

もちろん、私が弾くもう一台を聴きながら楽しむ余裕があるくらい、ちゃんと仕上がっているのが大事です。(^｡^)

小3のY君。年長の終わり頃からレッスンに来ていますが、その頃から、フレーズを逆に弾いたり、アナグラムのように組み替えたり、転調したりして自由に遊んでいました。

レッスンでも、ソナチネの第1主題と第2主題をなんとか弾き分けようとするなど、色々工夫してきます。

そんなY君、バロックの入門書の楽譜「プレ・インベンション」で、舞曲の難しい曲も弾きこなし、左右の対話も二声聴き分けも、音楽的に弾きこなせるようになりました。

「次はプレが取れた、バッハのインヴェンションだけど、やりたい？」と聞いたら、間髪入れず「やりたい！」(^｡^)

インヴェンションのバッハの作曲の意図やモチーフの展開の仕方を説明している時も、結構長く話したけど、集中して聞いていました。

子供の時やっていた遊びが、そのままでてくるよ♫

なんとも頼もしく、楽しみです！